作法とは…
日本には古くよりさまざまなものに作法というものが存在し、それはいつも人の心を表現するものとして、大切に扱われてきました。それは今でも、茶道、華道、今ではスポーツと呼ばれる柔道、剣道、弓道などに至るまで作法が存在していることは言うまでもありません。作法とは、その道その道に向かう者としての心構えを習得するためにあり、作法を伴わずして体得することはありえまないのです。
とまぁ難しいことを申し上げましたが、作法を極めるまでにはどのような道においても大変な苦労を伴います。かといって、おろそかにしてはならないもの。
ここでは神社におけるさまざまな作法の中から基本的な作法を解説いたします。私たち祖先が、やおよろずの神々、自然に対してどのような思いで向き合っていたのかを知ることで、現代社会に活かせることがあるのではないでしょうか。
手水の作法
手水(てみず)とは、神さまにお参りする前にする最初のお清めのことです。手を洗うだけだと思っておられるかたが多いかと思いますが、ちゃんと作法があるんですよ。お参りをする前の大事な儀式です。まずはこれからおぼえましょう。
まず、一礼をします。
これより手水をさせていただきます、という合図です。
ひしゃくを取り、
左手から洗います。
次に、右手を洗います。
左手の水で、口をゆすぎます。
吐き出すときは、口元を左手で覆い隠して、品良く行います。
もう一度、左手を洗います。
次に使う人のために、ひしゃくの柄を洗います。
ひしゃくを右手に持ち替え、左手で水を受け…
最後に一礼をします。
手水をさせていただきました、と心を込めて。
お参りの作法
手水によるお清めを行いましたらお参りをします。お参りの作法は、一般的には「二礼二拍手一礼」と言われますが、厳密には、「二拝二拍手一拝(にはい
にはくしゅ いっぱい)」と言います。「拝」とは礼をする(お辞儀をする)時の程度を表しておりまして、最敬礼を意味します。昔は座って礼をするとき、「額付く(ぬかづく)」と言ったりしますが、これは座っている時に額(ひたい)が地面に付く様を表した言葉ですね。しかし実際に地面に頭を付けるのは美しくありませんので行いません。正しい作法は、上半身が地面に対して水平になるところまで腰を折るようにして礼をします。立って礼をするときも同様で、地面に水平になるように深く礼をすることを心がけてお参りをしてください。
姿勢を整えます。
肩の力を抜いて、背筋を伸ばします。胸を張ってお腹を引っ込めます。
あごを引いて顔を真っ直ぐにします。
これからお参りさせていただきますの意味で、一礼をします。
この時の礼は、腰を折るようにして45度で行います。
首を曲げることのないよう注意してください。
二拝 (にはい)
ここからが「二拝二拍手一拝」の始まりで、礼は90度の最敬礼で行います。
お尻を後ろに引いて腰をおるようにして礼をすると出来ます。
二拍手 (にはくしゅ)
2回手を叩き、音を鳴らします。これをかしわ手と言います。
右手を少し手前にずらして…
一拝 (いっぱい)
もう一度、90度の最敬礼をします。
お参りさせていただきました、と気持ちを込めて一礼をします。
この時の礼もAと同様に45度で行います。
座って行う場合も基本的にはこれと同じです。以上を熟知していれば神主さんをもうならせる程の素敵な作法となるでしょう。
作法にとらわれ過ぎるとかえって気持ちを込めることを忘れてしまいがちになります。無意識の内に以上の作法が行えることが理想的です。しっかり練習を重ねてお参りしましょう。
今後、玉串拝礼(たまぐしはいれい)の作法についても解説いたします。
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